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岩窟の聖母

Vergine delle Rocce 1483年 199.0cm x 122.0cm
ほぼ同じ構図、構成で描かれた2点の作品があり、最初に描かれたといわれるヴァージョンはパリのルーヴル美術館が、後に描かれたといわれるヴァージョンはロンドンのナショナル・ギャラリーが、それぞれ所蔵している。両ヴァージョンともに高さが約 2 m という大きな作品であり、油彩で描かれている。もともとはどちらも板に描かれていた板絵だったが、ルーヴル・ヴァージョンは後にキャンバスへ移植された。どちらの『岩窟の聖母』にも、聖母マリアと幼児キリスト、そして幼い洗礼者ヨハネと天使が岩窟を背景として描かれている。二つのヴァージョンの構成における重要な相違点として、画面右の天使の視線の向きと右手の位置が挙げられる。その他の細かな相違点には、色使い、明るさ、植物、スフマートと呼ばれるぼかし技法の使い方などがある。