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鏡のヴィーナス

Venus del espejo 1647年 122.0cm x 177.0cm
ベラスケスがイタリアに滞在していたときに描かれたものといわれ、ローマ神話の女神であるヴィーナスが裸体でベッドに横たわり、彼女の息子である愛の神キューピッドが支える鏡に見入っているという構図の絵画である。古代からバロック期にいたるまでの数多くの絵画が、ベラスケスのこの作品に影響を与えたといわれる。イタリアの画家たちが描いた裸体のヴィーナス、たとえばジョルジョーネの『眠れるヴィーナス』、ティツィアーノの『ウルビーノのヴィーナス』などである。ベラスケスはこの絵画にそれまでのヴィーナスの作品でよく描かれた、ベッドや長椅子に横たわるヴィーナス、鏡に映った自分自身を見つめるヴィーナスという二つのポーズを取り入れている。