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青い睡蓮

Water Lilies 1917年 200.0cm x 200.0cm
1883年にパリの郊外のジヴェルニーに引っ越してからは、モネは庭作りにはまり、自宅の庭に池を作っては、そこに沢山の睡蓮を浮かべた。
晩年のモネはこの睡蓮の池を何枚も描いており、睡蓮だけでも200点ほどの作品を生み出しており、世界中の美術館に収蔵されている。
この作品は200×200と非常に大きな作品であり、また絵画には珍しい正方形のキャンバスとなっている。
青色がまるで深海のような静けさをたたえ、その上に静かに浮かぶ睡蓮の葉と花が水面上を左右に広がり、枝垂れる柳の枝が縦の動きを出している。
つまり、深い青色の池を背景として、その上に、横に睡蓮、縦に柳が交差するような構成となっている。
鑑賞者は、その一番手前に存在する縦の柳の枝の間から、横の広がりの睡蓮の葉や花を目にする。
庭の池にも関わらず、深い海のような青色の水面は、おそらく空の青さが映り込んでいる物と思われる。
柳の枝は水面にも映り込んでおり、水面、睡蓮、柳の枝、水面に映り込んだ柳の枝、のレイヤーのような表現と、得意とする自然光の表現によって、奥行き感とともに、鑑賞者に時間の経過を感じさせることのできる作品にまで昇華されている。