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ルッカの聖母

Lucca-Madonna 1436年 65.5cm x 149.5cm
19世紀始めの時点ではパルマ公およびルッカ公カルロ2世が所有していた絵画で、ヤン・ファン・エイク晩年の作品のひとつである。聖母マリアのモデルは、ファン・エイクの妻マルフリートだといわれており、ファン・エイクはマルフリートの肖像画も描いている。描かれている聖母マリアは、古代イスラエルの王ソロモンの12体の獅子像彫刻があったといわれる玉座を思わせる、四体の獅子の飾りがある玉座に座っている。マリアのひざに座る幼児キリストという聖母子像は図像学では「上知の座 」とよばれる構成で、美術作品としてはよく見られる構図である。