ジェリコー

1791.09.26 - 1824.01.26
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ジェリコー

19世紀前半に活動したフランスの画家。同時代に起きた生々しい事件を題材とした『メデューズ号の筏』が代表作である。彼の作品はドラクロワなどにも影響を与え、ロマン派絵画の先駆者と見なされるが、画業半ばの32歳で早世している。ジェリコーの作風は、古典主義を基本にしたものだが、生来神話画や宗教画を好まず、現実社会の描写に深い関心を示した。生と死が隣り合わせの極限状態における人間の姿を描いた『メデューズ号の筏』をはじめとする彼の作品は、人間存在の本質に迫り、徹底した写実を追求した。こうした彼の仕事は、ドラクロワらのロマン主義、クールベらの写実主義など、19世紀ヨーロッパの主要な絵画運動の先駆的存在と位置付けられる。馬などを題材にして、激しい動きの一瞬を描きとめた作品には印象派などの近代絵画を先取りした部分も見られる。