レオナール・フジタとモデルたち

川村記念美術館 | 2016年09月17日 ~ 2017年01月15日
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レオナール・フジタとモデルたち

日本からフランスに渡り、「乳白色の下地」と呼ばれる独自の画面によって、両大戦間のパリで一躍時代の寵児となったレオナール・フジタ (藤田嗣治 1886-1968年)は、ヨーロッパ近代の美術の歴史において最も成功した日本人芸術家といえるでしょう。フジタは多様な主題・ジャンルでその才能を発揮してきましたが、彼の画業の中心を占めるのが人物を描いた絵画であることに疑問の余地はありません。他の芸術家の場合と同じように、フジタは職業モデルを雇ってポーズの研究を行い、社交界の名士や裕福なブルジョワから注文を受けて肖像画を制作したほか、時には家族や親しい友人を画面に登場させることもありました。描かれた 「モデルたち」を、そのプロフィールや制作の経緯、関連する出来事とともに振りかえるとき、そこにはフジタを取り巻く人的環境と、人物という主題を通して取り組んだ造形的問題というふたつの背景が浮かび上がります。