摜

摜 摜

カラスのいる麦畑

Champ de blé aux corbeaux 1890年 50.0cm x 103.0cm
彼の最晩年に描かれた作品のひとつである。比較的広く知られる本作は、俗に、ゴッホの絶筆の作品であるとの誤認がなされることが多い。 しかしゴッホが死去したのは1890年7月の29日であり、同月10日頃の弟テオ宛の手紙にこの絵と思われる作品に関する記述があることから実際には7月上旬に描かれたと推定されている。(後述#同時期の作品も参照)したがってこの絵を「最後」の作品とするには無理がある。一方「絶筆」の記述が最初に出始めたのは1908年、ミュンヘンのモデルネ・クンストハンドブルク画廊などを巡回したファン・ゴッホ展のカタログで、この絵に当時は「雷雨」のタイトルが付けられ、「巨匠最後の作品」と付記されていた。