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georgenano

ぼちぼち美術館巡りしてます。面白そうな企画展教えてください。

ミュシャ展

国立新美術館 | 2017年03月08日 ~ 2017年06月05日

ミュシャ展

今回は何と言っても「スラヴ叙事詩」全20作品の一挙同時展示。本国以外では世界初の試みで、これを逃せば全作品を見るにはプラハ国立美術館に訪れるしかない?圧倒的な大きさとそのパワーは、実際に美術館での鑑賞がお勧め。34歳の時に、女優サラ・ベルナールの舞台「ジスモンダ」のポスターを手掛けて、一躍人気画家となったミシャ。パリではポスター制作の他にも、香水やたばこ、シャンパンのパッケージデザイン、アクセサリーデザイン、パリ万博の博物館装飾等、様々なデザインを手がけ、一躍大人気作家に上り詰めます。ただ、いつもミュシャの心の中にあったのは、商業画家では終わりたくないという思い。そのような背景から彼は晩年にスラヴ民族のルーツをたどる一大叙事詩を絵画として制作することにとりかかります。今回はそのスラヴ叙事詩全20作がチェコ以外の海外では初めてそろう、大注目の展覧会です。

ミュシャ展の訪問日記

georgenano

ミュシャ展に行って来た。今回の展示は驚きが一杯だった。

一つ目はテーマの重さと色使いの美しさに驚いた。
華やかな色使いでアールヌーヴォーの代名詞なミュシャだけど、今回はスラブ叙事詩がメインなため、スラブ民族の虐げられてきた歴史や戦争、そして独立による自由、みたいな重いテーマ感。
戦争直後で死体が多く横たわる場面を描いた作品や、火に包まれる要塞陥落の瞬間を描いた作品など、結構生々しい描写があり、「ミュシャ?花で装飾された美人なポスター描いてる人でしょ」みたいな気持ちで観に行くとギャップで驚く。ただ、凄惨な場面を描いた作品が多いものの、どれもミュシャらしく色使いが美しく、見とれてしまう。

作品の大きさにも驚いた。
絵のサイズが縦横5mくらいあって、予想外の大きさ。学生時代に買ったミュシャの作品集では小さくしか載っておらず、そんなに大きいように見えなかったので、ここまで大きいとは思っていなかった。あまりの大きさに一箇所からだけ見ることはできなくて、近くに寄ってじっくり見てみて、一度下がって全体像を見て、もう一回近づいて、みたいに動き回る必要があった。そんな移動を全部の作品でやっていたら、予想外に歩いていたようで足がパンパンになってしまった。

今回は一部の作品は写真撮影可だったのだけれど、その太っ腹ぷりにも驚いた。全体像を撮るのは勿論、気に入った部分だけを切り取って撮るのも自由なので、アホみたいにとってしまった。悔やむべきは一眼を忘れてしまい、iphone でしか撮れなかったこと。非常に悔やまれる。

悔やまれるといえば、自分の地理や世界史の不勉強さも悔やまれた。
今回のスラブ叙事詩は、スラブ民族の歴史上重要なイベントが作品にされているわけだけれど、スラブ民族、というよりもヨーロッパの歴史や地理をほとんど知らず、ストーリーが最初全く分からなかった。解説を聞きながら、2周回ったことにより、朧げながら理解はできたものの不完全な感じ。作品の展示順が時系列バラバラなのはちょっと卑怯。。
あと、主要な登場人物がほとんどヤンさんなのも卑怯。違うヤンさんが4人くらい出てくるけど混乱する。違う名前の人がもっと活躍してくれれば良かったのに。カタカナを覚えるのが苦手で、高校の頃世界史と地理を諦めて日本史を履修したのを思い出してしまった。

そんな感じでミュシャ展を満喫してきました。東欧の歴史面白そうな感じがするので勉強しようと思います。それにしても今回のミュシャ展はすごく良かった。ので、皆さん行きましょう。
2017.05.30 - 23:09 2017.04.06

georgenanoの「ミュシャ展」訪問日記へのコメント

georgenano

美沙さんコメントありがとうございます。
自分の周りにも熱く語れる人がいないので、自分以外のミュシャ好きの人がどんな感想を持っているか知ることができて嬉しいです。

今回の企画展は「画家のパワー」を強く感じました。スラヴが何か、ヨーロッパの歴史がどんなものか全く知らなかったですが、それを「知ろう!」と思わせるミュシャのパワーはスゴイですね。国も超え、時間も100年近く超えてメッセージが伝わっているのがスゴイと思います。あとは単純にあれほどまでに巨大なキャンパスに、10年近くもの歳月をかけて描ききるパワーにも驚きました。

美沙さんは面白そうな美術展に色々行かれているのですね。私の知らない面白そうな美術展にもご存知なようなので、訪問日記などを共有されるのを楽しみにしています。
2017.04.21 - 23:02

美沙

georgenanoさん

私もまさに同感です。ミュシャといえば、ジスモンダとかで、一夜にしてパリで売れっ子になった商業デザイナー的な解釈だったのですが、スラヴ叙事詩を観て、全く印象が変わりました。
一商業デザイナーで終わりたくない。でもその時に何を描くのか。そこでミュシャがたどり着いた答えが、あまりにもギャップが凄くて、ミュシャの事をあまり理解していない私からしたら、まさにそのギャップに驚かされたのが今回のミュシャ展でした。
スラヴ叙事詩を理解するには、georgenanoさんがおっしゃるとおり、様々な背景や経緯を理解しないといけなくて、私もその辺を一生懸命理解しようとしました。このように宗教観や生活環境、価値観等、まったく異なる人であっても、画家の事を理解しようと思わせることこそが、やはりその画家の持っているパワーなのかなと思いました。
でもそれを理解しようとすればするほど、商業デザイナーとしてのミュシャの出発点と、スラヴ叙事詩で訴えようとしたことは、全く真逆のことではなく、一つの流れとしてつながっているのだなということも感じました。

なかなかミュシャやミュシャ展を観て感じた事を共有できる人が周囲にいないので、ついつい熱くコメントしてしまいました。
またその他の企画展や画家の事など、いろいろ共有させてください。

おっしゃる通り、みなさん是非観に行きましょう!ですよね。
今回の企画展自体のすごさが、多くの人にも伝わって、一人でも多くの人が、ミュシャが伝えようとしていたことに触れる事ができればと。
2017.04.12 - 22:21